資産形成のまどぐち

金融の歴史 〜割符、土倉、合銭〜

ちょっと聞きなれない言葉の題名ですね。

先に答えをお伝えすると割符は手形、土倉は質屋、合銭は銀行のようなものです。

 

渡来銭が流通する13世紀後半になると、「割符(さいふ)」が登場します。「割符」とは、遠隔地に代金を送るのに、現金の代わりに送る手形のことです。

行商人の登場や市場の発達など商取引の発達によって、為替取引が活発化すると、次第に手形の発行と支払いを専門とする割符屋が現れ、現在の銀行取引のような役割を担っていきます。

 

渡来銭の普及によって貨幣経済が発達すると、富裕な僧侶などが、銭を貸して高利の利息を取る専門の金融業者となり「借上」と呼ばれました。

また、鎌倉時代には、現在の質屋にあたる「土倉」があらわれました。土倉は、物品を担保として預かり、それらの物品を保管するために土の蔵を建てたことから、こう呼ばれるようになりました。

 

室町時代になると土倉は、お金を元手に貸付を行なう「合銭」にも従事するようになり、預金や融資、さらに為替業務といった銀行に近い業務を営むようになっていきます。

このあたりになるとかなり現在の金融業の基盤ができてきています。

 

これまでに何度かお金の歴史についてコラムを掲載させて頂いておりますが、日本は古来から金融の仕組みが発達していたのです。にも関わらず、現在では世界中の先進国の中でも群を抜くくらいの、金融リテラシーの低い国になってしまいました。

一体どうしてなのでしょうか?

と言うのはまた機会があれば話しますが、何れにせよ自助努力で情報収集や情勢に敏感にならないといけない時代だと感じます。