資金の需要者と供給者のニーズや利害を調整して、資金を循環させるための仕組みには「間接金融(indirect finance)」と「直接金融(direct finance)」の2つのモデルがあります。
直接金融は前回でも少し触れました。
間接金融とは、資金の需要者と供給者との間に銀行などの金融機関(預貯金取扱金融機関)が入って調整を行うモデルのことです。
預金などの形で広く国民から集めた資金は、金融機関の判断と責任において企業などの資金需要者に供給されます。
間接金融の特徴は「資金の需要者と供給者が相対せずに、それぞれが個別に金融機関と貸借取引を行う」ところにありますから、たとえば銀行に預金した人が、自分のお金がどこに貸し出されたかを知ることはできません。
その代わり、銀行などの融資先が倒産して元利金の返済が難しくなっても、預金はそのまま守られます。
資金の供給者にとっては、貸し出す相手の信用力を調べるといった手間がかからず、便利で安心と言えますが、融資などによって得た利益の一部は金融機関の経費や利益となるため、大きな利回りを得にくいというデメリットもあります。
また、企業など資金の需要者にとっては、金融機関が求める条件をクリアすれば資金調達が容易で、かつ迅速に資金を得ることができます。
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